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夏のランニング、頑張りすぎてない?2026/08/10

夏のランニング、頑張りすぎてない?

「暑い中で走った=良い練習」ではない。秋につなげる夏の走り方


皆さん、こんにちは! RunTree代表の森長です。

めちゃんこ暑いですね・・・。 連日35度以上の日が続いたお陰で、30度くらいの日はちょっと涼しく感じてしまう今日この頃です。


これだけ暑いと、普段のランニングもかなり厳しい状況になっている方も少なくないのではないでしょうか。

今日は皆さんに、この厳しい暑さが続く現代の夏とどう向き合ってランニングを続けていくかブログ記事でお伝えしたいと思います!

ちょっと真面目で長めな記事になりますが、興味がある方はお付き合いください。




毎年夏になると、RunTreeに来られるランナーさんとこんな話をします。


「最近、全然ペースが上がらないんですよ」

「暑いから仕方ないと思うんですけど、走力が落ちた気がして……」


分かります。

いつも1km5分で走っていたのに、同じ5分で走ろうとするとめちゃくちゃキツし、心拍数も高い。

10km走るつもりだったのに、7kmくらいでもうやめたくなる。

「自分、弱くなったんかな?」とか「根性なさすぎて滅!」とかネガティブに思ってしまいがちです。



でも、安心してください。それが普通です!


夏にペースが落ちるのは当たり前です。

気温や湿度が高くなると、身体は走るためだけではなく、上がった体温を下げるためにも働かないといけません。

皮膚への血流が増えて、汗をかいて、必然と心拍数も上がりやすくなります。


なので冬の1km5分と、気温30℃を超える夏の1km5分は、同じ「5分」でも身体にかかっている負荷が違います。

ここをまず理解しておいてほしいです。


夏は「設定タイムを守る」ことにこだわらない!



上記の事はランニング練習会の指導もしていますし、僕自身のトレーニング時でも夏場は冬や秋など走り易い時期と同じ設定タイムをそのまま当てはめないようにしています。


気温30℃の日と20℃の日。

湿度の高い日と低い日。

早朝と昼間。


同じ人間が同じコースを走ったとしても、身体への負荷は全然違います。

なので「今日はキロ5分30秒だったからダメだった」ではなく、「今日の気温と湿度で、この5分30秒は身体にとってどのくらいの強度だったんだろう?」

と考えてみましょう。


時計の数字はもちろん大事です。

でも夏は、ペースだけではなく心拍数や呼吸の状態、自分が感じるキツさも一緒に見てください。

暑い日にペースを落とすのは、練習から逃げているわけではありません。

むしろ、その日の環境に合わせて練習負荷を調整できているということです。


普段のジョグやロングランは時計をあえて見ずに、自分の感覚を中心に【主観的にキツくないペース】を維持するのも良いです。

僕もジョグ時は時計のオートラップはOFFにしてラップタイムは見ないようにしています。どうしてもラップタイムを追ってしまい、その日の【楽なペースでジョグをする目的】から逸脱してしまう恐れがありますし、タイムに振り回される事はよくありますので、ジョグ時はできる限り自分の感覚を大事にしています。

なので夏のランニング(ジョグ)は主観的な感覚をベースに負荷を調整する事をおススメします。

もちろんインターバル走はビルドアップ走、ペース走などを実践する時はタイムの意識は必要です。ただタイム設定する際は、気温・湿度などの環境、主観的疲労度などの身体コンディションを見極めてタイム設定を行いましょう。夏のタイム設定は【多く見積もらない事】です。6~7割くらいの量と質が丁度良いです。



「暑熱順化じゃ!」と真昼に走る人もいます


これも毎年あります。

「暑い中で走った方が暑熱順化になりますよね?」

確かに、暑い環境で運動を繰り返せば身体は暑さに適応していきます。

発汗反応などが変化し、暑い環境で運動する能力も高まっていきます。


しかし、僕は全力でおススメする事はしません。

「暑いところで走ることには意味がない」と否定したいわけではありません。



ここで僕がランナーの皆さんに考えてほしいのが、

その練習、費用対効果はどうですか?

ということです。


僕が患者さんに実際にした話

ちょうど先日、RunTreeに来られた患者さんともこんな話をしました。

例えばAさんとBさんという二人のランナーがいたとします。


Aさんは気温30度近くの環境で30km走りました。

「暑熱順化にもなるし、暑い中でも30km走り切った!」

確かに達成感はあります。

ところが身体にはかなり疲労が残りました。

翌日は走れず休養。

その次の日もまだ身体が重く、予定していたポイント練習はできず、軽いジョギングだけになりました。


一方、Bさん。

同じ日にAさんと同じ環境下で20km走りました。

距離はAさんより10km少ない。

でも余裕を残して終えることができたので、翌日もジョグ練習ができました。

その翌日も予定通りジョグ練習が積めました。


さて。

AさんとBさん。

どちらが良い練習をしたと思いますか?

その日だけ切り取れば、

30km走ったAさんの方が「頑張った」と感じるかもしれません。

でもトレーニングは、その日だけで終わるものではありません。

翌日、翌々日、1週間、1か月。

そこまでつながっています。


3日間という単位で見たとき、Bさんの方が結果として質の高いトレーニングを積めている可能性があります。

僕がここで言いたいのは、「疲れた量=トレーニング効果」ではないということです。


頑張ったことと、良いトレーニングだったことは別


これはランナーにとって結構難しいところです。

暑い中を30km走った。

汗だくになった。

最後はフラフラになったけど走り切った。


これは間違いなく「頑張った」と思います。

僕もランナーなので、その達成感はよく分かります。実際にあの時つらかった練習の経験がレースに活かされた事もあります。


でも、僕がランニング指導をする立場、そして日々ランナーの身体を診る立場から見ると、


「その練習で何を得ることができたのか?」


というところまで考えます。


例えば、暑熱順化という刺激を得るために、翌日と翌々日の練習まで犠牲にしたとします。

それがレースに向けて特異的でシミュレート含めた練習なら、やる価値がある場合もあります。


でも、特に目的もなく、「夏なんだから暑い中を走らないと!」

という理由だけで身体を消耗させているのなら、一度考え直してもいいと思います。


トレーニングでは、刺激を入れれば必ず疲労も発生します。

だったら僕は、できるだけ少ない疲労で、目的とする刺激を得たい。


その方が次の練習につながるからです。

これが僕の考える、ランニングにおける「費用対効果」です。


夏はできるだけ涼しい時間に走ろう


だから夏場は、できるだけ早朝や日が落ちてから走ることをおすすめしています。

これは単純な熱中症対策だけではありません。

練習の質を保つためでもあります。

「でも夏もしっかり距離を踏みたいんです」

という方もいるでしょう。

そんな人は、1回で全部走らなくても良いです。


例えば朝に10km走って、夕方にもう10km走る。

これなら1日で20kmです。

もちろん一部練で20㎞走る方がマラソンやロングレースに向けては特異的な練習ではありますが、二部練をする事で疲労の蓄積は軽減できます。


「20km走るなら毎回一度に20km走らなければ意味がない」とは思わなくていいということです。



トレッドミルも立派なランニングです

もう一つ、夏にぜひ使ってほしいのが室内でのトレッドミルです

「ランナーなんだから外を走らないと」

と思っている人、意外と多いんですよね。

でも目的を考えてみてください。

外を走ることが目的なのか。

それとも走力を上げることが目的なのか。


例えば外が35℃ある日にテンポ走をしようとしても、暑さの影響で予定していた強度を維持できないことがあります。

というかほぼ無理ゲーです笑(経験済み)


それなら冷房の効いた室内でトレッドミルを使い、狙った強度でしっかり走る。

これは全然アリだと思います。

むしろトレーニングの目的によっては、そちらの方が質を確保しやすいでしょう。

夏場はジョギングだけでなく、ペース走やテンポ走、インターバルなどもトレッドミルを上手に活用してください。

ただトレッドミルで走る感覚と外で走る感覚は違うので、初めてトレッドミルで走る方は最初はゆっくり走って慣らしていきましょう。

ちなみにトレッドミルで走るのが苦手な方は逆に慣れていくとフォーム改善への糸口になります(これはまたどこかで記事書きます)


暑熱順化はいつやるの?


ここまで読むと、「じゃあ暑い環境では走らない方がいいの?」と思うかもしれません。


そういうことではありません。

暑熱順化そのものは、レースによっては大切な準備になります。

ただ僕は、「夏だから暑熱順化する」ではなく、「自分のレースから逆算して暑熱順化する」と考えています。


例えば11月にフルマラソンを走る人。

8月の猛暑の中で無理に身体を追い込んでも、その暑熱適応がそのまま11月まで残るわけではありません。

だったら8月は、暑さによる過剰な疲労を避けながら練習を継続することを優先する。

そして9月、10月とレースが近づいてきたところで、その年の気候やレース当日に想定される気温などを考えながら暑熱への適応も意識していく。

10月に外気温がかなり下がってきた場合には、必要に応じて20〜25℃程度の室内環境で走るなど、暑さへの適応を完全に失わないようにする方法も考えられます。


大事なのは「何月だからこれをする」ということではありません。

レースから逆算して、今の自分に何が必要なのかを考えることです。


夏は「鍛える」より「つなぐ」という考え方も大事


夏のランニングについて患者さんと話していると、どうしても、

「走らないと弱くなる」

「ペースを落としたくない」

「暑さに負けたくない」

という気持ちが出てきます。

ランナーですから、そう思いますよね。


でも8月にめちゃくちゃ頑張った結果、9月に疲労が抜けず、故障して、10月にまともな練習ができなくなったら本末転倒です。

秋のレースで走りたいなら、そのための身体を秋まで運ばなければいけません。


春から8月までめちゃくちゃ走り込んだランナーが9月の涼しくなってきたタイミングで一時的に調子が上がり11月に一度フルマラソンレースを終えて、12月ごろには疲労困憊になり、そのシーズンはズルズル状態が上がらず終了してしまうパターンはよくあります。

この場合、一度や二度のケアでは回復しませんし、疲労抜きに時間はかかるのでシーズンの半分を棒に振ってしまう事になります。



なので夏は、「今日どれだけ頑張れるか?」ではなく、「明日も走れるか?」という視点を少し持ってみてください。


涼しい時間に走る。

暑ければ設定ペースを落とす。

長い距離は分割してもいい。

必要ならトレッドミルを使う。

そして暑熱順化も、目的と時期を考えて取り入れる。

これらは決して「楽をする方法」ではありません。

秋に良い状態で走るためのトレーニング戦略です。


最後に


RunTreeには、ランニングを始めたばかりの方から、自己流で長年走っている方、フルマラソンの記録を狙っている方まで、いろいろなランナーさんが来られます。

身体を診ながら話を聞いていると

「頑張ること」は得意だけど、

「今日は頑張らないと決めること」が苦手なランナーさんは一定数いらっしゃいます。(みんなストイック!!)


特に夏は、それが顕著に出ます。

だからこそ、一度の練習だけを評価しないでください。

今日の練習が明日につながっているか。

今週の練習が来週につながっているか。

そして8月の練習が、秋の自分につながっているか。



夏のランニングは、頑張った量ではなく「得られた効果」で考える。

この視点を持つだけでも、夏のトレーニングの組み立て方はかなり変わってくると思います。

暑い夏を無理やり乗り越えるのではなく、うまく付き合いながら秋へつないでいきましょう。


次回は、この夏のランニングと切っても切れない「水分補給」について書きます。

水だけでいいのか、スポーツドリンクがいいのか。

どれくらい飲めばいいのか。

そもそも自分は1時間走ったら、どれくらい汗をかいているのか。

そのあたりを、できるだけランナー目線で分かりやすく整理してみます!


ほいじゃまたね!

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