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クマン100を走って見えたもの。 〜治療家として、ランナーとして得られた学び〜2026/06/25

クマン100完走(31時間17分)から10日が経ちました。

※クマン100は、「100マイル(約168km)」を昼夜ぶっ通しで走る超長距離レースです。山道や舗装路を約31時間以内に走り切ることを目指し、体力だけでなく、睡眠・補給・メンタルも重要になる、日本でも非常に過酷なトレイルランニング大会です。

まだ脚のダメージは少し残っていますが、ようやく身体も落ち着き、レースを冷静に振り返ることができるようになりました。

今回のブログは、「完走しました!」という報告ではありません。

100mileという過酷なレースを、自分自身が治療家として、そして一人のランナーとして経験したことで、何を感じ、何を学んだのか。

そんな視点で振り返ってみたいと思います。

ちなみに、Podcast「Cult of Dope Trail」第51話でもレースを振り返っていますので、興味のある方はぜひ聴いてみてください。編集しながら何度も笑ってしまうくらい、裏話も満載です(笑)。


Podcastでもレースを振り返っています!

今回のクマン100を、裏話も交えながら振り返っています。
ブログでは書ききれなかったエピソードも盛りだくさんです(笑)

▶ Podcast「Cult of Dope Trail」第51話を聴く

想像以上に戦えた31時間17分

今回挑戦したクマン100は、100mile(約160km)、累積獲得標高約6,000m。

1周約20kmのコースを8周します。

スタートから約8.5kmで一気に640mを登り、その後は日陰の少ないロード区間が続く、数字以上に厳しいレイアウトです。

結果は31時間17分。

総合7位でフィニッシュすることができました。

レース前に立てていた第一プランは30時間40分。

結果だけを見ると37分の差がありますが、初日の気温は31℃。

暑熱対策や着替え、補給に時間を使ったことを考えると、大きく崩れることなくレースを進められたと思っています。

特に6周目までは、ほぼ計画通り。

これは自分でも驚きました。


 レース結果

クマン100
距離:約160km(100mile)
累積獲得標高:約6,000m

31時間17分

総合7位/28人


支えてくれた仲間の存在

今回、5周目以降はペーサーのフェニ造さん、そしてサポートを担当してくれた村田えりかさんのお二人に、本当に助けられました。

エイドでは氷を使った徹底的なアイシング。

着替えや補給のサポート。

もし一人だったら、エイドでの滞在時間はもっと長くなっていたでしょうし、暑さにも耐えられなかったかもしれません。

100mileは個人競技に見えて、実はチームスポーツ。

改めてそう感じたレースでもありました。


治療家だからこそ感じた「回復する技術」の大切さ

今回、レースを通して改めて感じたことがあります。

それは、

「走る力」と同じくらい、「回復する力」が重要だということ。

100mileでは、速く走れる人が勝つとは限りません。

身体をどれだけ壊さずに前へ進めるか。

その積み重ねが最後の結果につながります。

アイシングをする。

補給をする。

着替えて体温を調整する。

身体の状態を確認する。

一見すると「止まっている時間」ですが、この時間があったからこそ、次の20kmを走ることができました。

普段、患者さんには「回復もトレーニングの一部ですよ」とお伝えしていますが、今回ほど自分自身がその言葉を実感したことはありませんでした。


想像以上に戦えた理由

実は、この1年間の平均走行距離は月200km未満。

4月にはHIROSHIMA TRAILの大会準備もあり、約2週間まともに走れない期間もありました。

「今年のクマンは厳しいかもしれない。」

そう思っていました。

残り1か月半で無理に走行距離を増やせば、昨年経験した疲労骨折を繰り返す可能性もあります。

そこで決めたテーマは、

「自分の強みをさらに伸ばすこと」

でした。

僕の武器はロードでのランニングエコノミー。

そこでジョグの中にファルトレクを取り入れ、登りからロード、ロードから再び登りへ切り替わる感覚を身体に覚え込ませる練習を続けました。

派手な練習ではありません。

でも本番では、その積み重ねが古鷹山を下ってロードへ出た瞬間や、再びクマン岳へ向かう区間で生きてきたように感じています。


一番の収穫は「現在地」が分かったこと

今回のレースで、自分の強みと弱みがはっきりしました。

強み

  • 胃腸は最後まで機能した

  • 暑熱環境にも対応できた

  • 眠気も大きな問題にならなかった

  • レースプラン通りに進める力があった

課題

  • 下りによる筋損傷への対応

  • 終盤のロード巡航能力

  • 装備選択や経験値

特に後半は、下りで蓄積したダメージがロードでも表面化し、思うように巡航できなくなりました。

これは筋力だけではなく、長時間にわたって衝撃を受け続けたことで、身体全体の機能が少しずつ低下していった結果だと考えています。

治療家として身体を見てきた経験と、自分自身の身体で感じた感覚が一致した瞬間でもありました。


故障をしなかったことも大きな成果

今回、最後まで大きな故障なくスタートラインに立てたことも、大きな成果でした。

違和感があれば無理をしない。

「今日は身体がいつもと違うな」と感じたら、一度立ち止まる。

エンデュランススポーツでは、

  • 疲労の蓄積

  • 動きの乱れ

この2つが故障につながることが少なくありません。

だからこそ、練習を積むことだけでなく、自分の身体の声を聞くことも大切だと改めて感じました。


この経験をRunTreeへ

普段の僕は、トレーナーとして身体を整え、大会では選手をサポートする立場です。

今回は、その立場から一歩踏み出し、自分自身が100mileという挑戦を経験しました。

だからこそ、これまで以上に選手の気持ちが分かるようになりました。

「このタイミングで脚が重くなる。」

「この疲労感は危険なサイン。」

「ここで身体を整える意味。」

教科書だけでは分からないことを、自分の身体を通して学ぶことができたと思っています。

この経験を、これからRunTreeで出会う皆さんへ少しでも還元していけたら嬉しいです。


最後になりましたが、広島枠として出場の機会をくださった大会関係者の皆さま、サポートしてくださった仲間、応援してくださった皆さま、そして何より家庭を支えてくれた妻と子どもたちに、心から感謝しています。

家族と一緒にゴールテープを切れた瞬間は、一生忘れられない思い出になりました。

40歳を迎える今年。

まだまだ伸びしろはあると信じています。

ランナーとしても、治療家としても、そして皆さんを支えるトレーナーとしても、これからさらに成長していきたいと思います。

今後ともRunTreeをよろしくお願いいたします。

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